一宮町の玉前神社(一宮町一宮)で9月10日、伝統行事「稚児まつり」が営まれ、地元の子どもたちが華やかな装束姿で一宮町内を練り歩く「稚児行列」が執り行われた。
稚児まつりは、鵜茅葺不合命(うがやふきあえずのみこと)と玉依姫命(たまよりひめのみこと)の子育て信仰にあやかった行事として、古くから地域に親しまれてきた。13日に控える例大祭「上総十二社祭り」に先立つ恒例行事で、一宮町内を華やかに彩りながら、子どもや孫の健やかな成長を祈願する趣旨から、例年多くの家族連れが参加している。
当日は、色鮮やかな装束に身を包み化粧を施した子どもたちが、保護者に付き添われながら町内を歩いた。行列の後には上総神楽保存会による上総神楽が奉納されたほか、福餅まきも行われ、多くの見物客でにぎわった。
行列には親子2代にわたり参加した人も。芝崎洋一さんは、自身も幼少期に同行事へ参加した経験があり、今回は捺夏君(5歳)を連れての参加となった。着物を着る機会や化粧をする機会に、子どもは行事を前に緊張した様子だったという。芝崎さんは「無病息災、健康に育ってもらえれば」と参加への思いを話した。自身が参加した当時の記憶は「写真で見たぐらい」と振り返りながら、「できれば3代で参加できれば」と先を見据える。
玉前神社は上総国一宮として知られる。13日の例大祭「上総十二社祭り」では、同神社を含む周辺5社のみこしが釣ヶ崎海岸に参集する神事が行われ、県の無形民俗文化財にも指定されている。稚児まつりはその一連の祭事の前段に位置づけられ、地域の子育て文化を今に伝える行事の一つとなっている。