城西国際大学(東金市求名)福祉総合学科と看護学科の学生が7月30日、生活クラブ風の村スペースぴあ茂原(茂原市本納)を訪れ、通所者による芸術活動「アール・ブリュット」(仏語で「生(き)の芸術」の意)の作品作りを支援した。同大地域課題解決型授業「域学共創プロジェクトA」の一環。
同プロジェクトは、伝統や流行、教育に左右されず自由に表現するアール・ブリュットを通じ、障害のある人と地域を「つなぐ」架け橋を目指す取り組みで、2023年度に始まり、今年で4年目を迎える。当日は学生2人(看護学科1年、福祉総合学科3年)が訪問し、色鉛筆や絵の具を使う通所者の制作の様子を見守りながら対話を重ね、寄り添った。
参加した看護学科1年の若宮心緒さんは、絵を描くのが好きで、母親が福祉関係の仕事に就いていたことから参加を決めたという。「話しかけると皆さんが笑顔で応じてくれ、緊張が少しずつ解けた」と振り返り、「コミュニケーションの大切さを実感できた」と話す。将来は看護師を志しており、「施設勤務の際にも今回の経験を生かしたい」という。
制作に取り組んだ利用者の男性は色鉛筆を何色も重ねて塗り、光沢を表現する技法を得意とする。人形をモチーフに描くことが多く、「人形は天使からの贈り物のようなかわいらしさがある」と創作への思いを話した。
学生を引率した福祉総合学科の森山拓也准教授は、精神科病院でソーシャルワーカーを務めた経験から「制作だけで完結し、発表の場がない現場を見てきた」と説明。「展示という発表の機会があることで、障害の有無を超えたコミュニケーションが生まれる」と意義を伝える。
制作を監修する美術家のこまちだたまおさんは、専門家用の画材をそろえ、実物のモチーフを毎回持ち込む点が同施設の特徴と説明。作品をファイルにまとめて振り返られるようにすることで、技術の向上を実感できると強調した。
同施設所長の佐久間千恵さんは、就労継続支援B型の作業中心の現場では自由な表現の場が少なくなりがちな中、同活動が自己表現や他者との交流を後押ししていると説明。「展覧会への出品や受賞が、通所者の喜びや自信につながっている」とし、「今後も作品を地域に発信する機会を増やしたい」と話す。
完成した作品は11月2日~8日、同大水田美術館で開く特別展「第4回風のアール・ブリュットココロ・ポリリズムJIU」で展示する予定。