九十九里海岸から飛来する砂をガラス工芸品として再生し、新たな観光資源を生み出そうという「九十九里砂アップサイクル化プロジェクト」のキックオフ・ミーティングが4月22日、城西国際大学(東金市求名)で開かれた。
同大観光学科・国際文化学科・国際交流学科の3ゼミに所属する学生が初めて一堂に集い、数年単位で進める産学連携の取り組みが本格的にスタートした。
プロジェクトを主導するのは、ぷらすわん(大網白里市南今泉)社長の大木健太郎さん。ANAの機長を経て2025年に退社後、白里海岸沿いでクラフトビール醸造所「Rusty Nest Brewery」を経営しながら、地域活性化事業に取り組んでいる。民泊事業を通じて「飛び砂」問題に着目したことが、このプロジェクトの出発点となった。
九十九里海岸では、海岸から住宅や道路へ砂が飛来する現象が長年の課題となっている。大木さんは「厄介者」とも言われてきたこの砂に着目し、ガラス原料として活用するアイデアを発案。砂のガラス原料化技術を持つ「海馬ガラス工房」(宮城県仙台市)、ガラス製品製造を担う「菅原工芸硝子」(九十九里町藤下)と連携し、地域課題を付加価値の高い工芸品へと転換するアップサイクルの仕組みを検討してきた。
当日のミーティングでは、大木さんが事業の背景と全体構想を学生に説明。2026年度は初年度として、九十九里地域の歴史や砂問題の実態調査を5月・6月に実施するほか、秋には菅原工芸硝子の工場見学を通じてガラス製造工程を学ぶ予定。11月の大学祭でのポスター発表、12月1月のモニター体験ツアー企画・実施へと段階的に活動を積み上げる計画を示した。
出席した学生の反応について、担当教員の遠藤惠子教授は「5月以降の地域調査や、ガラスの製品化の部分に関心を持っている様子だった」と話す。
国際交流学科3年の川守田志雲さんは「九十九里の砂の問題を知らなかった。千葉県民として協力すべき取り組みだと感じた。授業の一環で地域の歴史を学べるのが面白い」と今後に期待する。