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九十九里浜「ハマグリ漁」が今季解禁 1人1日1樽上限で資源保護

ハマグリ漁解禁

ハマグリ漁解禁

 九十九里浜の「ハマグリ漁」が5月1日、今季の解禁を迎えた。漁期は例年8月15日までで、銚子市飯岡地区から長生郡一宮町にかけての九十九里浜全域が対象区域となる。

ハマグリ

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 現地でハマグリ漁を営む茂丸(九十九里町不動堂)社長の高山茂勝さんは、30歳から手かき漁に本格的に取り組み、今季で約16年のキャリアを持つ。漁獲から販売・食べ方の発信までを一体的に手がける。

 高山さんによると、ハマグリは海底の「瀬」と呼ばれる地形の起伏に集まる習性を持つ。「3月後半から4月にかけて、干潮の時刻が夜から昼にずれてくる。その兼ね合いで瀬の位置も変わり、ハマグリが浅場に寄ってくる」と話す。この潮と地形を「読む」技術こそが、漁師としての経験の核心だという。漁獲対象となるのは「チョウセンハマグリ」と呼ばれる種で、名の由来については「潮の線」に由来するという説がある。

 漁獲ルールは厳格で、1人1日1樽(約50キロ)が上限。漁獲量は自己申告制で記録・報告が義務付けられており、翌年の操業許可にも直結する。漁協組合が設けた一斉休業日は資源保護と潮況を踏まえたもの。

 今年の状況について、高山さんは「稚貝(ゼンナ)が例年の3分の1程度しかいない。子どもがいなければ、大人も育たない」と話す。稚貝が成貝に育つまでには数年かかるとされ、現状の稚貝不足は今後数年の漁獲量に影響する。解禁初日から50キロの上限に達した漁師は数人程度という。

 流通面では、多くの漁師が仲買人を介して卸すのが一般的だが、高山さんは自社販売を中心に展開。不漁の時期こそブランド価値を高める好機と捉え、「取れる年も取れない年も、平均より上を維持できる仕組みをつくりたい」と話す。

 将来の構想として高山さんが掲げるのは、組合員や地域関係者がチームを組んで漁業ブランドを育てる体制。加工品の開発、ECサイトでの産地直送販売、潮干狩り体験の場づくりなどを組み合わせ、行政とも連携しながら地方創生につなげていく構想を思い描く。近隣のいすみ市が進めるDMO(観光地域づくり法人)の取り組みを参考例に挙げ、「行政と民間が一緒に進みながら、地域の価値を向上させたい」と力を込める。

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