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一宮・玉前神社春季祭で「上総神楽」奉納 女性3人が加わり新たな継承の形へ

上総神楽

上総神楽

 一宮町の玉前神社(一宮町一宮)で4月13日、「春季祭」が執り行われ、千葉県指定無形民俗文化財「上総神楽」が奉納された。今回は保存会発足からおよそ50年の節目に、女性が舞い手として参加。男性のみで受け継がれてきた伝統芸能が新たな局面を迎えた。

上総神楽保存会

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 上総神楽は1710年に玉前神社で神楽殿が造られたことに始まり、代々継承されてきた。現在は「種蒔」「猿田彦舞」「大山祇神」など十六座を伝え、春季祭・秋季祭をはじめ年7回奉納されている。保存会はかつて「地区の長男のみ」が担える慣習もあったといい、女性の参加は長らく認められていなかった。

 転機をつくったのは熊田友明子さん。玉前雅楽会でも活動する熊田さんは「他の神楽を見ると女性の舞い手は各地にいる。10年ほど前からやりたいと言い続けていた」と振り返る。2年ほど前に理解が得られ、女性として初めて入会。

 熊田さんの声がけで参加したのが長谷川正子さん。岐阜県下呂市出身で、22年前に子育て環境を求めて大網白里市へ移住。「日本の文化に以前から興味があり、神楽を学びたいと思っていたところ熊田さんに誘っていただいた」と話す。昨年7月から練習を重ね、この日が初舞台。「衣装も面も初めてで、緊張した。先輩方が優しく教えてくださったおかげ」と振り返る。

 もう一人の参加者、池谷真理さんはベリーダンスを約20年続けた経験を持つ。昨年8月にいすみ市へ移住した際、地域のつながりを通じて上総神楽を知った。「自分が日本人というアイデンティティーを感じ、巫女(みこ)舞などにも以前から関心があった。男性のみでの継続が難しいと聞き、伝統芸能のために力添えができれば」と話す。今年2月から練習に加わっており、この日は見学・同行として参加した。

 保存会の對馬昇さんは「活動が50年を迎え、会員の高齢化と体力の衰えは避けられない。女性が加わってくれる意義は本当に大きい」と話す。これまでも県や国からの表彰を受けながら活動を続けてきた保存会だが、対外的な発信を含め、次の50年へ向けた継承の形を模索する。

 上総神楽の次回奉納は宮薙祭。7月14日19時から、同神社境内の神楽殿で行う。

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