
千葉大学と長柄町民有志が共同開催する住民交流イベント「オヒサマコーヒー」が5月18日、「ながランホール」(長柄町桜谷)で開かれた。
主催は千葉大学田島研究室と町民有志の団体「ながら塾」。タウンアドバイザーをつとめる田島翔太准教授と学生らが、ソーラーパネルを搭載した移動式のエコキャビンでコーヒーを提供する「オヒサマコーヒー」の活動から発展。今回は町民も運営に加わり、長柄町の課題やニーズについて話し合う場づくりを目的に開いた。
同大と同町は2015(平成27)年度から地域連携協定を結び、住民と学生が共に学ぶ講座や地元企業と連携した特産品開発など、地域づくりに取り組んできた。
2023年6月にオープンした公民館「ながランホール」前にエコキャビンを設け、訪れた町民らおよそ20人が同町の未来について議論した。参加者からは「自然が豊かでいいところだが、もっと居酒屋やコンビニがあるといい」「高齢者になると平日に病院へ行く足がない」など暮らしの課題が挙げられたほか、移住者から「借家や賃貸が少なく移住が難しい」という住宅事情についての声もあった。
参加した同大4年の深江愛菜さんは「エコキャビンがあると人が集まる。地元の人が地域について話し、初めての人ともつながりを持てて良かった」と振り返る。
田島准教授は「町民がエコキャビンを活用し、参加者と交流したり、地域のニーズを聞いたりする機会が持てたことがうれしい。エコキャビンは『オフグリッド可搬空間』と呼ばれる移動する発電空間を地域活性に役立てる研究として開発した。オヒサマコーヒーの活動を続けながら、エコキャビンの活用について町民と考えていきたい」と話す。
ながら塾の田中真夫さんは「月岡町長も参加者と交流が持てた。町の声を拾うのと同時に、仲間づくりの場にしていきたい。次回は長柄町都市農村交流センターなど人が集まる場所でも開ければ。開催回ごとにテーマを設定し、町外からの来訪者も交えた移住に関する対話の場としても展開していく」と意気込みを見せる。