匝瑳の商工会館(匝瑳市八日市場)で11月28日、講演会「持続可能な地域を目指して」が開かれた。匝瑳市倫理法人会が主催し、75人が参加した。
当日は、同市でソーラーシェアリング事業を営む「匝瑳みらい」(八日市場)会長の椿茂雄さんが講演した。
同市は2023年11月、環境省事業の「脱炭素先行地域」に千葉県内2例目として選定された。ソーラーシェアリングを中心とした脱炭素化推進プロジェクトとして、水田営農型ソーラーシェアリングの導入により稲作の高収益化を図りながら脱炭素化を実現する取り組みを進めている。
講演では、同市のソーラーシェアリングの取り組み状況や、農業と地域を支えること、新規就農者が取り組んでいる事例などを紹介。椿さんは「活動を続けていくことで、豊かで持続可能な地域になることにつながっていくのでは。住民が中心となり、官民がフラットに意見を交わせる匝瑳市を目指したい」と話す。
参加した同市地域おこし協力隊の鈴木優介さんは「自然と共存するソーラー発電を匝瑳市から発信してほしい。売電収益と農作物売り上げのダブルインカムは新規就農者の希望となる」と話し、「農業と脱炭素の共存を市民に浸透させるには時間がかかるかもしれないが、将来が一変する可能性を秘めている。成功を願っている」と期待を寄せた。
同市の脱炭素先行地域計画では、豊和・春海地区における水田営農型ソーラーシェアリングのほか、植木産業で排出される剪定(せんてい)枝をバイオマス資源として活用する取り組みや、営農型ソーラーシェアリングの研究・人材育成を行う「ソーラーシェアリング・アカデミー」事業なども予定している。