
一宮町のキャンプ場「Ocean's Camp TORAMII」(一宮町一宮)内に9月10日、アパレルブランド「letters(レターズ)」のショップがグランドオープンした。
古着のデニムパンツを解体してリメークした商品を展開する同ブランド。経営する小竹大成さんは2019(平成31)年4月にキャンプ場を開設後、ブランド活動を縮小していたが、今年3月にプレオープンし、今回、本格的に営業を再開した。
レターズは2011(平成23)年にスタート。使い古されたデニムパンツを洗浄・解体し、職人の手で新たな商品に仕上げる。「履いた人の色落ちは、その人だけのもの。それを誰か違う人に届けるのは手紙のよう」という思いからブランド名を付けた。
小竹さんは三重県出身で、米ロサンゼルスでの買い付け経験を持つ。帰国後に左官業を営みながら、趣味で始めたサーフボードケース作りがブランドの出発点となった。「自分でミシンを買って作ってみたが、素人仕事で全然うまくいかなかった」と振り返る。そんな時、幼少期から親しくしていた地元の縫製職人「吉田のおばちゃん」に相談。縫製工場で働く吉田さんに作り方を教わり、完成したボードケースを見て「これだ」と確信したという。
製作には吉田さんのほか、福祉施設も携わる。裁断作業などを軽度の障害を持つ施設利用者に依頼し、個々の特性に合わせて作業を分担している。
商品ラインアップは、サーフボードケース、キャップ(以上9,640円~)、クッション(1万2,980円~)、バッグ類、Tシャツ(以上8,030円~)、ショートパンツなど。サーフボードケースはオーダー制で、受注から約1カ月で納品する。
同ブランドは以前、都内のセレクトショップに卸売りを行うなど順調だった。しかし、キャンプ場開設後は「365日休みもない状態で、電話すら出られなくなった」ため、取引先に迷惑をかけることを避けて一時休止を決断した。
現在はオンラインショップと店舗での直販に特化。「大量生産ではなく、商品の背景をしっかり伝えて共感してもらえる人に購入してほしい」と、キャンプ場の利用客は時間に余裕があり、商品説明をゆっくり聞いてもらえるのも店舗併設の利点だという。
「競合他社と価格競争するのではなく、しっかりと会話して買ってほしい。長く続けられるブランドでありたい」と意気込みを見せる。
営業時間は9時~18時。キャンプ場利用客以外の来店も可能。