書道ユニット「悠水風我」(左から)田中さん、辻さん
茂原市在住の書道ユニット「悠水風我(ゆうすいふうが)」が8月10日、幕張メッセ(千葉市美浜区)で開催される「夏のさつまいも博2025」で書道パフォーマンスを初披露する。
同ユニットの一人、辻風我さんは大阪府高槻市の出身。高校生の頃から書道を学び、高校卒業後、書の専門学校・書学院に進学し師範資格を取得。書道のみならず油絵・石こう・デッサンなど幅広く学んだ後、自然豊かな地を求めて茂原に移住した。前衛書家として知られる稲村雲洞さんに師事する。茂原で「桜栄書道教室」を開業して約30年がたつ。
米ウィスコンシン州での文化交流事業で。曲に合わせて手拍子が起こる中、書道パフォーマンスを披露すると大きく盛り上がった(写真提供=辻風我)
中国・モンゴル・アメリカなどを文化交流事業で訪れ、書を披露するパフォーマンスを行うようになる。辻さんは「現地の人が知っている曲に合わせて手拍子を催促するとパフォーマンスが盛り上がる。書道に興味を持ってもらう素晴らしいきっかけ」と話す。「今でこそ高校生の部活などでパフォーマンスが注目されているが、40年以上も前からあった」とも。
辻さんは「さつまいも博」に参画した企業との縁で、ベトナム・ハノイ大学との交流が始まり、今年名誉客員教授として迎えられ、6月には「戦後80年世界平和芸術展」で前衛書家部門最高金賞を受賞した。
田中さんは高校在学時書道部に在籍。このパフォーマンスを見てすぐに辻さんがパートナーにスカウトしたという(写真提供=辻風我)
キャリアを重ね、書と画材や他の素材を使いながらアート表現する「軌積(きせき)書道」という独自のスタイルも確立した。書道の可能性をもっと広げていくためパフォーマンスパートナーを探していた頃、書道教室に通っていた田中悠水さんが高校で行った書道パフォーマンスを見て、「彼となら組める」と直感したという。ユニット結成が決まった。
「夏のさつまいも博2025」は、サツマイモの生産者や小売業、6次化事業者などが参加するサツマイモ尽くしの博覧会で、千葉県初開催。パフォーマンスを披露するのは「芋焼酎アート・ラベル展」コーナーで、14時30分から出演予定。
パフォーマンスの見どころは、ポップ・演歌・クラシックなど多様なジャンルの曲に合わせて披露するところ。参加者飛び入り歓迎の企画もあるという。「芋焼酎アート・ラベル展」コーナー内のアート・ラベルのボトル展示は、辻さんが描いた作品がデザインされた一升瓶も展示する。
田中さんは「見てくれる人も、参加してくれる人も、書道は楽しいと思ってくれるきっかけになれば」と話す。
辻さんは「参加型のイベントなので楽しんだもの勝ち。ぜひ参加してほしい」と呼びかける。「見て参加して楽しんでもらう書道、会場が一体となって盛り上がる書道を目指したい。そんな書道の可能性を若者にも伝えていきたい」と意気込む。
「夏のさつまいも博2025」 会場=幕張メッセホール3 日時=8月7日~10日の10時~17時30分。料金は、前売り=700円、当日=800円。1時間半ごとの時間枠制。再入場可。