
一宮町の室川農園が7月28日、今季初となる稲刈り作業を行った。刈り取ったのは早生品種「ふさおとめ」。町内でも収穫の先陣を切るかたちで始まった。
作業を行ったのは同園5代目園主の室川典弘さん。就農以来、今年で26回目の稲刈りを迎えた。初日は、6条刈りのコンバインを使って1町歩(約1ヘクタール)程度の収穫を予定しているという。
「ふさおとめ」は、粒が大きいうえに未熟な粒が少なく、米の外観品質の良さが特徴。「コシヒカリ」と比較しても食味が良く、穂が出る前の低温や米が成熟する時の高温による障害にも強い。一方、栽培には技術を要する難しさもあり、穂が出そろった後に倒伏しやすいのが特徴とされる。
室川さんは「今年の生育は順調で、収量も例年並み。一宮町は水源に堰(せき)があり、安定した水管理ができるのが強み」と話す。7月12日から田んぼの水を切り始め、天候を見ながら収穫適期を見極めたという。
同園では「ふさおとめ」を皮切りに、今後9月末までに12品種を順次収穫していく予定。室川さんは「今年の出来栄えを確認しながら、来年の栽培方法も検討していきたい」と話す。
一宮町では例年、7月下旬から早生品種の収穫が始まり、晩生のコシヒカリなどの収穫は8月中旬以降に本格化する。