
芝山町・成田空港近くの「ひこうきの丘」の環境整備と地域資源の活用を目指す「ひこうきの丘みんなのベンチプロジェクト」が7月1日に始動した。
「ひこうきの丘」は離着陸する航空機を間近で見られる展望スポットとして知られ、国内外から多くの航空ファンが訪れる。撮影機材を持参する来訪者が多く、限られたベンチが撮影用の荷物置き場となってしまい、一般来訪者の休憩スペースが不足しているという課題があった。
こうした状況を改善し、より多くの人に快適に過ごしてもらえるよう、芝山町の地域資源である木材を使ったベンチの整備が計画された。税金ではなく住民や関係者の意思を反映する形で、クラウドファンディング(CF)の手法が選ばれた。
仕掛け人の串田徹さんは昨年9月、地域おこし協力隊として芝山町に着任。「スカイパークしばやま連絡協議会」「ヒストリーパークしばやま活用推進協議会」など複数の地域団体に参画し、北(空港エリア)と南(歴史資源エリア)との連携による町全体の活性化を担っている。
今回のCFはその一環。目標金額は200万円で、支援者には地域にちなんだリターンを用意する。「ひこうきの丘=芝山町」というエリア認知の向上も狙いの一つ。英語版を含むPRチラシの作成や航空科学博物館と連携した送客施策など、インバウンド観光にも力を入れており、実際にタクシー利用客の増加やロッカー不足という反響も現れている。芝山仁王尊を中心とした「ヒストリーパーク」の案内看板整備やイベント企画などにも取り組む。
串田さんは「クラウドファンディングを通じて、町内外の方に芝山町の活動や魅力を知ってほしい」と力を込める。