
白子町の新タマネギが旬を迎え、タマネギ農家では収穫作業が終盤を迎えた。
同町は、全国でも珍しい「たまねぎ狩り」が体験できるほどタマネギが有名な産地。「白子たまねぎ」として流通している。
白子町では福祉事業所と連携して農作業を行う「農福連携」に取り組んでいる農家もいる。「白子潮風ファーム」(白子町中里)や瀬尾晋吾さんは農福連携でタマネギ収穫作業を行う。
白子潮風ファームの仲田吉範さんは2017(平成29)年に新規就農し、タマネギ栽培を開始。農協からの提案で、働き手不足を解消するため、2022年に農福連携の取り組みを始めた。妻の仲田眞美子さんは「多い時には9つの福祉事業所に農作業をお願いしている。福祉事業所にお願いすることで働き手も多くなり、栽培面積を増やすことができた。利用者とコミュニケーションが取れるか不安だったが、施設職員が間に入ってくれるので円滑に作業が進む」と話す。
農作業をしていた就労継続支援B型施設「一松工房」(長生村一松丙)澁澤早苗所長は「毎年タマネギの収穫作業を楽しみにしている。利用者は作業のコツが分かっているので前向きに取り組んでいる」と話す。大谷幸輝さんは「タマネギ大好き」と収穫作業に打ち込む。
就農1年目の瀬尾晋吾さんは「タマネギ栽培は一人では作業がやりきれないが、雇用するほど通年での作業はない。農福連携で助かっている」と話す。
長生農業協同組合担い手支援課の大越一雄さんは「長生地域は農福連携を取り組んでいる農家が多い。既存の農家は親戚や知人に援農をお願いすることもあるが、新規就農者は働き手の確保が課題。新規就農者と福祉事業所のマッチングすることで新規就農者の定着につなげたい」と力を込める。