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一宮町で生物文化多様性記念講演会 地域の自然と文化を未来へ

登壇者・参加者一同

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 「一宮町生物文化多様性計画策定記念講演会・シンポジウム」が11月15日、一宮町中央公民館(一宮町一宮)で開かれた。

緊張しながらも質問に答える

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 同町が策定した「一宮町生物文化多様性計画」の周知を目的とした同イベント。町民ら53人が参加し、地域の自然環境と文化を守り育てる取り組みについて理解を深めた。

 同計画は「ネイチャーポジティブ」を基本理念に掲げ、生物多様性と文化多様性を一体的に捉えた地域づくりを目指す。海岸の自然環境、農村景観、地域に根付く伝統文化などを次世代に継承しながら、持続可能なまちづくりを進める方針を示している。

 講演では、「山から海から地域を考える」をテーマに、環境パートナーシップ会議代表理事の星野智子さんが登壇。

 ウミガメを見守る会からは、今年夏休みの自由研究でウミガメをテーマに取り組み、金賞を受賞した長生村立一松小学校2年の狩野聡太君が発表を行った。人前で話すことが苦手だったという狩野君だが、ウミガメとの出合いに感動し、会場でパンフレットを配布するなど積極的に活動した。

 東浪見小学校4年グループは、松子の里での体験リポートを発表。総合学習の一環として訪れた児童たちは、田んぼや里山で見つけた生き物や、地域の人々から聞いた昔ながらの農業の話などを自分たちの言葉で紹介。6人の児童が自主的に手を挙げて発表に臨んだという。

 パネルディスカッションでは、農家の室川典弘さん、上総十二社祭り保存会青年部会長の吉野健史さんらも登壇。農業、地域文化、それぞれの立場から一宮町の未来について思いを伝えた。司会は世界サーフィン保護区のコーディネーター廣瀬玲士さんが務めた。

 一宮ネイチャークラブの増田美奈さんは「生物文化多様性という新しい視点で、一宮町の豊かな自然と文化を次世代に残していきたい。今回のシンポジウムが、町民の皆さんが地域の魅力を再認識し、保全活動に参加するきっかけになれば」と期待を込める。「みんなが大事にしてきた自然と文化がずっと残っていって、次の世代に引き継がれてほしい。里山から海まで、一宮町全体がつながっていることを子どもたちが感じてくれたのでは」とも。

 同町では今後、同計画に基づき、環境保全活動の推進、生態系調査の実施、環境教育プログラムの充実などに取り組んでいく予定。来年1月には計画の実現に向けた実行委員会が立ち上がる見込み。

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