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多古・松崎神社で「神幸祭」リハーサル 60年ぶりの開催に向け準備加速

リハーサル

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 多古町の松崎神社(多古町東松崎)で10月26日、来年3月に開催される60年に1度の「神幸祭(しんこうさい)」に向けたリハーサルが行われた。

試行錯誤

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 同神社の神幸祭は約420年の歴史を持つ伝統行事で、前回は1966(昭和41)年に開催された。神様が海から上がってきたルーツをたどり、神社で出社祭をして、野手浜海岸でお浜降りを行うのが特徴。本来は1泊2日で行われてきたが、今回は地域の規模縮小や財源の制約から、日帰りでの開催を目指している。

 準備を進めるのは「宮本地区神幸祭保存会」と「松崎神社神幸祭実行委員会」。2021年6月の発足以来、60年前の記録がほとんど残っていない中、当時を知る数人への聞き取りや古いコピー写真を頼りに準備を重ねてきた。

 実行委員会で庶務会計を務める平野欽作さんは「何もないところから作るのが一番大変だった。前回の宮司さんも亡くなり、資料も散逸していた」と振り返る。転機となったのはコロナ禍での文化庁の補助金拡充。みこし修理の補助を受けられたことで開催が現実味を帯びた。

 担ぎ手の確保も課題だった。宮本地区は約60戸で高齢化が進み、若者はほとんどいない。そこで「北総神輿連合」に協力を依頼し、野手浜地区の地元有志が協力。当日は地元出身者の帰郷も呼びかける。

 平野さんは「60年後に同じように開催できるかどうか分からない。だからこそ準備段階から映像と書面で記録を残している」と話す。次世代への継承を見据え、映像記録のほか、テレビ局の密着取材も受けている。

 リハーサルでは参加者への役割分担や行列の並び順を確認。今後、本番までに複数回のリハーサルを予定している。

 本番は来年3月8日。平野さんは「小さな祭りだが、60年に1度という重みがある。地域の絆を確認し、次の時代につなぎたい」と力を込める。

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